■ 2月の投資環境

2月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数（現地通貨ベース）で下落しました。世界の株式市場は、月初、米連邦準備制度理事会（FRB）や欧州中央銀行（ECB）の金融政策決定会合を受けて利上げペースが減速するとの期待感が高まり上昇しましたが、その後は、1月の米雇用統計など良好な経済指標の発表を受けて、金融引き締め長期化に対する懸念と景気後退を回避できるとの見方が入り混じる中、方向感を欠く展開となりました。月半ば以降は、ユーロ圏と米国の1月の消費者物価指数（CPI）でインフレの根強さが再認識されたことや金融引き締め継続の必要性について金融当局者の発言が相次いだことなどを受けて、長期金利が大きく上昇する中、株式市場は下落基調となり、月間でも下落となりました。業種別では、情報技術、資本財・サービスなどが上昇した一方、不動産、素材が相対的に大きく下落したほか、コミュニケーション・サービス、エネルギー、公益事業なども下落しました。

水関連企業（現地通貨ベース）の株価は、株式市場が下落する中、上昇しました。装置製造エンジニアリングセクターは最も上昇しました。ファーガソンは住宅建設の底打ち期待を背景に2ヵ月連続で堅調なパフォーマンスとなりました。エコラボも、価格設定がしっかりと維持されていることから利益率と収益の成長見通しについて引き続き良好で堅調な展開となりました。環境マネジメント・サービスセクターも良好なパフォーマンスでした。リパブリック・サービシズやウエイスト・マネジメントが堅調な決算を発表した後に株価が回復したことも明るい材料となりました。スタンテックは2023年の売上および収益が2桁台で成長する可能性があると示されたことを背景に株価が上昇しました。上下水道ビジネスセクターは、わずかながら下落しました。アメリカン・ウォーター・ワークスは足元の急激な金利上昇やインフレ率の上昇を背景に比較的大きく下落しました。また、多くの投資家は経営陣が示唆している大幅な希薄化を伴う増資を懸念しています。

■ 今後の見通し

見通しについては、地政学リスクやインフレの高まりにより不透明感があり、世界各国の購買担当者景気指数（PMI）や企業の景況感がどのように影響を受けるのか不透明感が残ります。価格上昇圧力が持続するかどうかや、米国の連邦準備制度理事会（FRB）や欧州中央銀行（ECB）による利上げのタイミングや程度、また、それがどのように株式のバリュエーションに影響を及ぼすか等、見極める必要があると考えます。

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。