3月の投資環境

3月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数（現地通貨ベース）で上昇しました。

世界株式市場は、上旬はロシアのウクライナ侵攻や西側諸国によるロシアへの経済制裁を背景とした先行き不透明感の高まりや、原油などエネルギー価格高騰を受けたインフレ懸念などが影響し下落基調となりました。中旬以降は、米連邦準備制度理事会（FRB）高官による積極的な追加利上げを支持する発言などがマイナス要因となる場面もありましたが、ロシアとウクライナの停戦協議への期待や、原油価格の高騰が落ち着きを見せたことなどを受けて株式市場は上昇基調となり、月間でも上昇となりました。

業種別では、すべての業種が上昇しました。中でもエネルギー、公益、素材、ヘルスケアなどが上昇しました。一方、生活必需品や金融は相対的に小幅な上昇にとどまりました。

水関連企業（現地通貨ベース）の株価は、株式市場の上昇と比較し小幅な上昇となりました。3セクター全てが上昇しましたが、なかでも環境マネジメント・サービスセクターがコンサルティング関連および廃棄物処理関連銘柄の良好な見通しを背景に大きく上昇しました。廃棄物処理関連銘柄は潜在的な買収案件が豊富であり、今後の価格決定力が強くなることが見込まれ株価が上昇しました。

上下水道ビジネスセクターは英国ではインフレにより今後2年間、水道料金のベースとなる資産や収益の増加が見込まれ、堅調な業績見通しが続くとの期待から規制下の水道事業関連銘柄が上昇しました。また、米国の規制下の水道銘柄は、インフラ投資計画が続くアメリカン・ウォーター・ワークスおよびエッセンシャル・ユーティリティーズにけん引され上昇しました。

装置製造エンジニアリングセクターは、環境分析技術の継続的な成長が見られるダナハーやサーモ・フィッシャー・サイエンティフィックにけん引され上昇しました。

 

今後の見通し

見通しについては、地政学リスクやインフレの高まりにより不透明感が増しています。世界各国の購買担当者景気指数（PMI）や企業の景況感にどのように影響を与えるのか不透明感が残ります。価格上昇圧力が持続するかどうか、米国の連邦準備制度理事会（FRB）、欧州中央銀行（ECB）による金融緩和策縮小、利上げのタイミングや程度、また、それがどのように株式のバリュエーションに影響を及ぼすか等、見極める必要があると考えます。

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。