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ポラリスは2022年に+4.0%上昇 ~2022年の振り返りと今後のポイント
2023/01/27

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概要

●ポラリスは2022年に+4.0%上昇
●2022年は為替と金がプラス寄与となり基準価額が上昇
●債券利回りの上昇を受けて2022年12月に基本資産配分を変更し、債券の組入れを開始



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ポラリスは2022年に+4.0%上昇

当ファンド(以下、ポラリス)の2022年の騰落率は+4.0%となりました(図表1参照)。同じ期間の主な資産の騰落率(円ベース)を見ると、金は大きく上昇した一方、世界株式や世界国債(ヘッジあり/ヘッジなし)は下落しました。特に2022年の大幅な円安のメリットを享受できなかった世界国債(ヘッジあり)は下落率が大きくなりました。

2022年は世界的なインフレ高進を受けて主要中央銀行の多くが積極的な利上げを実施する中、株式や債券は軟調な動きとなりました。他方、金については、米国の積極的な利上げや米ドル高などがマイナス要因となった一方、ロシアのウクライナ侵攻など地政学リスクの高まりなどがプラス要因となり、年間では米ドルベースで小幅ながら上昇、円ベースでは大幅な上昇となりました。また為替については、主要中央銀行の多くが積極的な利上げを実施する中、日銀は緩和的な金融政策を継続したことから金利差が注目され、主要通貨に対して大幅な円安となりました。

なお、2023年のポラリスの年初来騰落率(1月23日現在)は+2.5%となっています。

 

 

2022年は為替と金がプラス寄与となり基準価額が上昇

ポラリスの2022年12月30日の基準価額は、2021年末比で+485円の12,702円となりました。基準価額の変動要因をみると、株式、債券はマイナス寄与となったものの、為替が大きくプラス寄与となった他、金もプラス寄与となりました(図表2参照)。

株式要因は、主要中央銀行の積極的な金融引き締めなどの影響で株式市場が下落する中、2022年9月にかけて大幅なマイナス寄与となりました。その後、2022年10月からは米国のインフレ率が低下傾向を示したことや米国の利上げペースの減速見通しなどを背景にプラス寄与となりましたが、年間では大幅なマイナス寄与となりました。

債券要因は、債券の組入れを開始したのが2022年12月中であったこともあり、2022年を通じて債券利回りが大きく上昇した中でも、小幅なマイナス寄与にとどまりました。

金要因は、2022年3月まではロシアのウクライナ進攻などの地政学リスクの高まりから大幅なプラス寄与となりましたが、その後は2022年10月にかけて、債券利回りの上昇や米ドル高などが影響しマイナス寄与が続きました。しかし2022年11月以降は債券利回りの低下や米ドルの下落などを受けて金価格が上昇したことからプラス寄与となり、年間を通じてプラス寄与となりました。

為替要因は、日本と他の主要先進国との金利差などが注目される中、円は主要通貨に対して大幅な円安となり、2022年年初から2022年10月にかけて大幅なプラス寄与となりました。

なお、2023年のポラリスの基準価額は、株式、債券、金がプラス寄与となり年初来で+321円(+2.5%)と堅調に推移しています。

 

 

債券利回りの上昇を受けて2022年12月に基本資産配分を変更し、債券の組入れを開始

ポラリスは設定来、2022年8月までは株式と金を50%ずつ保有するという基本資産配分に概ね沿った運用を行ってきました(図表3参照)。

その後、2022年9月以降は、世界の主要中央銀行による積極的な利上げなどの影響で景気の先行き懸念が高まる中、株式の組入比率を引き下げ、キャッシュ等の組入比率を引き上げましたが、引き続き基本資産配分は株式50%、金50%のままでした。

一方で、2022年を通して債券利回りは上昇を続け、債券の相対的な魅力は徐々に高まってきていました。このような状況を受けて2022年12月にポラリスは基本資産配分の変更を決定し、それに伴いポートフォリオへの債券の組入れを開始しました。

なお、2022年12月末時点では、基本資産配分に対して株式、債券をアンダーウェイトに、金とキャッシュ・短期金融商品等をオーバーウェイトにしています。また、債券については2022年12月に組入れを開始したばかりであったため、アンダーウェイトとなっていますが、今後、債券の基本資産配分である25%程度まで引き上げる方針です。

 

 

今後のポイント

世界経済の見通しが一段と厳しさを増しているものの、インフレは依然として高止まりする可能性が高く、先進国の金融政策正常化が市場に与える影響に配慮する必要があると考えます。米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)は利上げ幅を0.5%に縮小したものの、タカ派的な姿勢に大きな変化はなく、欧米の景気は循環的に厳しい局面に差し掛かるものと見ています。

株式については、景気減速懸念などを背景に警戒的なスタンスを継続しつつ中国のゼロコロナ政策の緩和で恩恵を受ける新興国などへ選別的に配分を振り向けていく方針です。

金については、米国の実質金利が大きく上昇したことや主要通貨に対する米ドル高のペースが収まりつつあることを受けて、フィジカル・ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)の組入れを維持します。金は株式や債券などの伝統的資産クラスとの相関が低く、インフレに強い性質を有するとみられていることから、分散投資の観点で重要な資産であると考えます。米国が市場予想より積極的な金融引き締め姿勢を継続した場合、米国の更なる金利上昇や米ドル高が金価格下落につながる可能性がある一方、貿易収支と財政収支の赤字拡大リスクの高まりは米ドル安圧力となり、その場合は金価格上昇につながる可能性があります。

債券については、世界的なインフレ高進などの影響で2022年に債券利回りは大きく上昇(価格は下落)し、相対的な債券の魅力が徐々に高まったことを受けて、基本資産配分を変更し債券の一部組入れを開始しました。

ポラリスでは引き続き、各資産のリスクプレミアムの相対的な魅力を注視しながらポートフォリオのアロケーションを行います。

 

注 リスクプレミアムとは、リスク資産の期待リターンにおいて価格変動リスクの対価とみなされる部分のことを意味し、無リスクの資産に対して期待するリスク資産のリターンの上乗せ分を指します。



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