- Article Title
- 中国の経済再開で動き出す、中国の消費パワー
●2022年、中国の家計貯蓄は大幅増。経済再開で消費拡大の原動力となる可能性
●主要高級ブランド各社は、2023年年明け以降、中国市場で回復の兆しが見られると示唆
●中国の消費者の旅行再開も、幅広い分野のプレミアム・ブランド企業の業績に追い風
中国の経済再開で、余剰貯蓄が消費拡大の原動力となる可能性
中国政府は2022年12月以降、段階的にゼロコロナ政策を緩和してきましたが、2023年1月8日に新型コロナウイルス感染対策の入国時隔離義務を撤廃したことで、ゼロコロナ政策は事実上終了となりました。ゼロコロナ政策の終了は中国の経済再開のみならず、中国本土と世界との往来が再び活発になることで、周辺アジア国・地域を中心に世界的にプラスの恩恵をもたらすと期待されます。その中でも注目されるのが、中国の消費者の動向です。
新型コロナウイルスの感染の拡大が始まった2020年以降、ゼロコロナ政策下で都市封鎖が実施される中、店舗の営業制限や外出制限などにより消費機会が減ったことに加えて、終わりの見えない新型コロナウイルスとの闘いの中で、消費者の消費意欲は冷え込み、その一方で貯蓄志向が高まりました。
こうしたことから、中国の家計における貯蓄は増加傾向を辿り、特に2022年の1年間は大幅な増加となりました。2022年各月の家計における預金増加額(前年同月比)をみると、特に年後半にかけて、2019年(コロナ禍前)から2021年(コロナ禍)までの3年間の平均増加額を大きく上回り、中国の消費者の手元には余剰貯蓄として積み上がっています。
ピクテでは、中国の家計には約5兆元(約98兆円注、中国のGDP比で約4%に相当)が余剰貯蓄として積み上がっていると試算しています。この余剰貯蓄は、ゼロコロナ政策終了による経済再開により、一足先に経済活動が再開した欧米でみられたように、力強いリベンジ消費や、旺盛なレジャー需要につながる可能性があるとみられます。
注:1中国元=19.511円で円換算(2023年2月16日時点)
2023年年明け以降、回復の兆しをみせる中国の高級ブランド市場
当ファンドの投資対象であるプレミアム・ブランド企業は、高級ブランドだけでなく、スポーツ関連、化粧品、食品・飲料、トラベル関連など、幅広い消費関連の分野に存在しています。
中国の消費者のリベンジ消費で恩恵を享受できると期待される分野の1つは、プレミアム・ブランド企業の代表格である高級ブランド企業です。主要高級ブランド企業の多くは、2022年10-12月期の中国市場について、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響などから大きく落ち込んだことを示しました。しかし、2023年年明け以降は、回復の兆しが見え始めているとの見解も示しています。
各社ともに今後の中国市場の動向については、慎重な姿勢を崩してはいないものの、いずれ本格的に回復し、引き続き重要な成長市場であるとの見方を持っている模様です。
中国の消費者の旅行再開も、幅広い分野のプレミアム・ブランド企業に追い風
中国の消費者の旺盛なレジャー需要を背景に、国内・海外旅行の再開にも期待が集まります。
海外旅行の再開で、旅先で高級ブランド商品や、免税店で高級酒や化粧品を購入する機会が増えるとみられ、こうした商品を手がけるプレミアム・ブランド企業の業績拡大の追い風になると期待されます。
中国の人々の海外渡航者数は近年、急速に増加しており、2019年(コロナ禍前)には年間約1.5億人と、2000年比で15倍となりました。これがコロナ禍においては事実上、ゼロとなっていました。海外旅行の再開の動きは、ビザやパスポート発給などの手続きには時間がかかることなどもあり、当面は緩やかな回復が予想されますが、コロナ禍前の水準へと回復に向かっていくものと予想されます。
さらに、中国の消費者の国内・海外旅行再開は、ホテルなどのトラベル関連分野のプレミアム・ブランド企業にとって、一段の業績改善につながる明るいニュースになると期待されます。足元では、多くのホテル運営企業が、客室料金の値上げなどによって、業績を回復させています。中国の消費者が旅行を再開することで客室稼働率が改善し、一段の業績回復につながる可能性があるとみられます。
当資料をご利用にあたっての注意事項等
●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。
MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。