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- 2024年年初来の基準価額動向と見通し
●足元、世界経済の先行き懸念などが、プレミアム・ブランド企業の株価の重荷に
●短期的には、欧米の利下げや中国の景気刺激策などによる消費者心理の好転に期待
●中長期的には、一般的な消費財にはない、強力なブランド力が成長のカギ
2024年年初来の基準価額動向~プレミアム・ブランド需要減少懸念が重荷に~
世界のプレミアム・ブランド企業の株式に投資を行う当ファンドの分配金再投資後基準価額は、2024年年初来、足元(11月11日)までで上昇していますが、先進国株式(円ベース、配当込み)の上昇率に比べると小幅にとどまっています。この背景には、投資先であるプレミアム・ブランド企業の株価の上昇率が相対的に小幅にとどまっていることがあります。世界経済の先行き不透明感などを背景として、プレミアム・ブランド商品やサービスの需要減少懸念が株価の重荷となっています。
これまでに発表されたプレミアム・ブランド企業の直近四半期決算(主に2024年7-9月期)の内容をみると、引き続き銘柄間の格差があることが確認されました。ハイエンドの商品やサービスを提供している企業、あるいは革新的な商品を提供している企業は、引き続き底堅い業績動向を示しました。その一方、世界経済の先行きに不透明感が残るなか、消費者の選別的な消費の動きを背景に、十分に差別化されていない商品やサービスを提供している企業については、低調な業績動向が続いています。
短期的な見通し:消費者心理の改善に期待
プレミアム・ブランド企業には、景気変動の影響を比較的受けにくい富裕層の顧客が存在するため、景気サイクルを通して、底堅い需要が期待できると考えられます。しかし、プレミアム・ブランド企業が提供する商品・サービスは、消費関連であり、世界の消費者心理の影響を免れることはできません。
世界経済の先行き不透明感や地政学リスクの高まりは、消費者心理にマイナスの影響を及ぼすと考えられます。さらに、これまで世界的な高インフレを背景に、米国など主要中央銀行による金融引き締めにより金利高であったことも、消費者心理を冷え込ませる要因になったと考えられます。
足元では、世界的なインフレは落ち着きつつあることから欧米の中央銀行は利下げに転じています。また、中国でも金融緩和が実施されており、この点は、消費者心理の改善につながると考えられます。
さらに、多くのプレミアム・ブランド企業にとって主要市場の1つである中国については、前述の金融緩和をはじめ当局は景気刺激策を発表し、景気を下支えする姿勢を示しています。足元で低迷している中国経済もこうした政策の効果により、いずれ回復に向かうと期待されます。直近四半期決算では、中国市場の低迷の影響を受けたプレミアム・ブランド企業も多かっただけに、中国経済が回復に向かうと期待されることもプラス材料になると期待されます。
また、足元のプレミアム・ブランド企業の株式のバリュエーション(投資価値評価)水準には、相対的な魅力があるとみられることも、プレミアム・ブランド企業の株価の下支えになると考えられます。
中長期的な見通し:一般的な消費財にはない、強力なブランド力が成長のカギ
1800年代に創立された「エルメス」、「カルティエ」、「ルイ・ヴィトン」をはじめ、プレミアム・ブランド(またはプレミアム・ブランド企業)の多くは比較的長い歴史を持ち、人々を惹きつけてやまない強力なブランド力を確立しています。長い歴史の中で、困難な市場環境に直面することもたびたびありましたが、その後は強力なブランド力や優れた経営執行力などを背景に力強く回復し、売上・利益成長を遂げてきました。
今後も、プレミアム・ブランド商品やサービスに対する消費者の熱望は存在し続けると考えられます。そうしたなかで、中長期的には①アジア新興国の人々の購買力向上、➁固定客となりうる富裕層の存在、➂存在感を増す女性の消費パワーなどが、需要拡大をけん引していくと期待されます。
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