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ファンド・マネージャーの視点|2023年を注目の年と考える理由
2023/03/17

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概要

●当ファンドの運用チームは約18年間、一貫してプレミアム・ブランド企業を専門的に調査・分析、投資を行ってきた実績
●中国の経済再開は、プレミアム・ブランド企業の業績に大きな追い風。足元のバリュエーション水準には、過熱感はないとみる
●過去の世界経済の減速や世界的危機時には、株価は相対的に大きく下落。しかし、その後は大きく反発



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ファンド・マネージャーの視点|なぜ2023年が注目の年なのか?

中国政府がゼロコロナ政策を終了したことで、中国の消費者はかつての日常を取り戻しつつあります。こうした中で、中国における消費の回復・拡大が期待できると考えています。中国の家計には、コロナ禍前を大きく上回る貯蓄が積み上がっています。こうした貯蓄の積み上がり(いわゆる余剰貯蓄)が消費に回ると期待されるためです。

欧米では、一足先にコロナ禍から経済活動が再開されましたが、この過程でプレミアム・ブランド商品・サービスに対して力強いリベンジ消費の動きがみられました。これと同じようなことが、中国でも起きる可能性が高いと考えています。特に、中国の若者の間では、「人生は一度きり」(#YOLO (You Only Live Once))、この瞬間を楽しもう、という機運が強まっているようです。

ピクテにおけるプレミアム・ブランド株式運用戦略は2005年より開始され、運用チームはそれから約18年間、一貫してこの分野について専門的な調査・分析を行ってきました。

注:欧州における運用開始時期

ゼロコロナ政策終了後、中国のプレミアム・ブランド商品・サービスに対するリベンジ消費を示す実際のデータはまだありません。しかし、長年、この分野に携わってきた経験から、中国の経済再開で中国の消費者の間でも、欧米でみられたように、プレミアム・ブランド商品・サービスに対する力強いリベンジ消費の動きがみられると予想しています。この流れの中で、プレミアム・ブランド企業は、大いに恩恵を受けると考えられることから、2023年は注目の年であると考えています。

2023年1-3月期の決算発表(4月以降にスタート)では、ゼロコロナ政策終了後の状況が少しずつ示され始めると考えられます。その後、同4-6月期の決算では、前年同期の売上高水準がロックダウンなどの影響から低いこともあり、前年同期比で相対的に大きな増収率が示される可能性が高いと予想しています。

ただし、企業決算や消費関連の経済指標で、中国におけるリベンジ消費の動きがデータとして公表される前に、プレミアム・ブランド企業の株価は、期待を先行して織り込むかたちで一段と上昇してしまっている可能性もあると考えます。

足元の予想PER水準には過熱感がないと考える理由

当ファンドが投資を行うプレミアム・ブランド企業の株式における、足元の予想株価収益率(PER)は、過去10年間の平均並みの水準であり、コロナ禍直前の水準と比較してもほぼ同水準です。足元の予想PERからみると、過度な過熱感はなく、妥当なバリュエーション(投資価値評価)水準であると考えています。

※予想PERは翌年度予想EPS(1株当たり利益)ベース(ファクトセット集計アナリスト予想値、2023年2月末時点)

一方、足元の予想PER水準は依然として相対的にみると高い、と懸念する向きもあります。

プレミアム・ブランド企業の株式のバリュエーション水準は、これまでも長期にわたって相対的にみれば高い水準で推移してきました。これは、プレミアム・ブランド企業の多くが、健全な財務・収益基盤を有していること、高収益ビジネス・モデルであること、相対的に高い利益成長が予想されていること、などを背景に“プレミアム”が上乗せされているためであると考えています。

当ファンドの組入銘柄のうち約4割の企業がネット・キャッシュ(有利子負債を上回る手元流動性(現金・預金など)を確保)の状況です。さらに、組入銘柄のうち約2割強が、困難な時代を幾度も乗り越えてきた、100年以上の歴史があるブランドを有する企業です。

※2023年2月末時点の状況

また、長年の経験から言えることですが、プレミアム・ブランド企業の業績予想については、毎四半期ごとに期待が確信に変わっていくに従い、上方修正されていく傾向がみられます。2022年についても、多くの企業の業績予想の上方修正が続き、最終的にも予想を上回る良好な決算となりました。

2022年、中国の高級品市場(金額ベース)は縮小しましたが、経済再開により2023年は、前年比+25~30%と再び拡大すると予想しています。一方で、市場コンセンサス予想には、中国市場の回復が十分に織り込まれていないと考えています。

さらに、中国の消費者が海外旅行を再開することで、コロナ禍で低迷した免税品販売をはじめ旅先でのプレミアム・ブランド商品の購入の増加が期待されることや、ホテルへの宿泊などでホテル運営企業の業績にも追い風となることが期待されます。

また、経済再開により、サプライチェーン(供給網)の混乱など、ボトルネックとなっていた問題が解消に向かうことで、業績回復が予想される企業(例えば、スポーツ関連企業など)もあるとみています。

過去の世界経済の減速や危機の後には、株価が大きく反発

プレミアム・ブランド企業の株価は、世界経済の減速や世界的危機などの局面で、先進国の株式市場平均に比べると大きく下落する傾向がみられました。しかし、その後の株式市場の回復局面では、大きく反発してきました。こうしたことから、当ファンドの基準価額(分配金再投資後)は、これまでも何度か大きく下落する局面を経験してきましたが、その後大きく反発し、設定来でみれば先進国の株式市場平均を上回る上昇となりました。ただし、直近の株式市場では、米銀行の破綻などを受けて、投資家がリスク回避の動きを強めています。さらに、これらの実体経済へ及ぼす影響についても懸念があるため、当面は動向を注視しつつ、慎重な姿勢で臨むことが重要であると考えます。

運用に際しては、良好な企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)を有しているにもかかわらず、市場全体の流れを受けて株価が大幅下落した銘柄について、業績堅調または回復が決算発表で示される前に買い増しを行うなど、組入比率を調整してきました。こうした投資判断は、投資先企業の経営陣への取材や、消費に関する様々な動向の分析などに基づい行っています。

また、世界的なインフレによるコスト増を受けて、多くの企業において利益率の悪化が懸念されていますが、プレミアム・ブランド企業については、価格決定力があるため、コストの増加分を最終価格に転嫁することが比較的容易に行えます。このため、多くのプレミアム・ブランド企業は高収益性を維持できるものと予想しています。

度重なる値上げによっても、プレミアム・ブランド商品・サービスに対する旺盛な需要に陰りはみられません。この背景には、景気の良し悪しに大きく影響を受けることがない富裕層の顧客が多いこと、さらには中間所得層の顧客についても、労働市場が引き続き堅調であることや余剰貯蓄があることなどがあると考えています。

もともと良好なファンダメンタルズを有していることに加えて、ゼロコロナ政策下で低迷していた中国の消費が復活すると予想されることは、プレミアム・ブランド企業にとってさらなる追い風になるものと期待しています。

※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。



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ピクテ・プレミアム・ブランド・ファンド(3ヵ月決算型)



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