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- 「中国の経済再開」をより意識した、ポートフォリオに
●プレミアム・ブランド企業は消費関連の幅広い分野に存在
●足元では、欧州の高級ブランド、スポーツ関連、トラベル関連の組入比率を引き上げ、中国の経済再開の恩恵をより大きく享受できるポートフォリオに
消費関連の幅広い分野に存在するプレミアム・ブランド企業
当ファンドは主に世界のプレミアム・ブランド企業の株式に投資を行います。プレミアム・ブランド企業は、消費関連の幅広い分野に存在しています。すべて消費関連であることに変わりはないため、景気や消費動向の影響を受けます。しかし、プレミアム・ブランド企業を分野ごとに分けてみると、それぞれ業績動向に特色があります。このため、運用に際しては、市場環境等を考慮し組入比率を調整しています。
2023年1月末の組入状況をみると、コロナ禍前(2019年12月末)に比べて、「欧州の高級ブランド」や、「スポーツ関連」、「トラベル関連」の組入比率を引き上げています。
良好な企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)を有する「欧州の高級ブランド」
エルメス・インターナショナルやLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトンをはじめとした「欧州の高級ブランド」は、プレミアム・ブランド企業の中でも代表的な企業群であり、強力なブランド力を背景とした価格決定力、相対的に安定した顧客基盤、健全な収益・財務基盤を有する優良企業です。この企業群は、景気減速局面やコロナ禍でも、相対的に底堅い業績動向が見込めますが、足元では中国の経済再開によって、中国市場の回復や海外旅行再開の流れを受けて、いっそうの業績拡大が期待されます。
直近では欧州の高級ブランドの中でも、フィナンシエール・リシュモン(「カルティエ」、「ヴァンクリーフ&アーペル」などを傘下に持つ)など、中国の経済再開の恩恵をより大きく受けると期待される銘柄の組入比率を引き上げる一方、短期間で株価が大きく反発した銘柄などについては一部を売却して利益を確定し、組入比率を引き下げるといった銘柄間の調整を行っています。
中国の旅行再開の動きが「トラベル関連」の後押しに
欧米では一足先に、レジャー需要が回復し、国内・域内の旅行だけでなく海外旅行も再開されています。一方、中国はゼロコロナ政策下、人々の移動・渡航制限が厳しく課されていました。
ゼロコロナ政策終了後初となる今年の旧正月の休暇中の状況について、マリオット・インターナショナルは中華圏事業に回復の兆しがみられることを示唆しました。今後、中国からの海外旅行者数が本格的に回復していけば、ホテル運営企業をはじめとした「トラベル関連」の企業群の業績回復をさらに後押しすると期待されます。2023年1月末の組入上位10銘柄のうち、3銘柄がホテル運営企業です。
2022年の低迷から復活が期待される「スポーツ関連」
「スポーツ関連」の企業群については、コロナ禍の2020年から2021年にかけて、健康ブームの高まりが追い風となったほか、オンライン販売比率が比較的大きいことが有利に働き、比較的堅調な業績および株価推移となりました。しかし、2022年は状況が一転しました。先進国の急速な経済活動再開の一方で、生産拠点である中国などでは引き続きロックダウンが実施されていたことなどから、サプライチェーン(供給網)の混乱が生じ、大きくマイナスの影響を受けました。
足元では、サプライチェーンの混乱により入荷が遅れたため販売時期を逸した商品の在庫処分等が進み、過度な業績悪化懸念は後退しています。また、中国の経済再開の恩恵をより受けやすい分野であるとみられ、スポーツ関連企業の組入比率も引き上げています。
想定されるリスク|ただし、基本シナリオは、中国の経済再開による恩恵を享受
欧米の景気後退やウクライナ情勢のさらなる深刻化(欧州への拡大など)といった懸念材料は依然として残っています。こうしたことは、特に欧米の消費者心理を冷え込ませる可能性があります。
しかし、ピクテでは、欧米の景気後退懸念について、たとえ景気後退に陥ったとしても、過去の景気後退局面に比べると短期間で、その後回復に向かうと予想しています。また、プレミアム・ブランド企業は富裕層の顧客が多く、こうした人々の消費行動は景気変動の影響を相対的に受けにくいとみられます。また、プレミアム・ブランド企業は世界的に事業展開しています。2022年の業績回復をけん引したのは米国でしたが、2023年は中国が成長エンジンとして再び脚光を浴びると期待されます。
米中貿易摩擦(関税を巡る報復合戦)問題の再燃や、中国政府による一部の超富裕層に対する課税強化や高級品に対する課税強化などの動きが強まった場合も、プレミアム・ブランド企業の株価はマイナスの影響を受ける可能性があります。2021年8月、中国政府は「共同富裕」というスローガンを打ち出し、貧富の格差を是正し、すべての人が豊かになることを目指す方針を示しました。これを受けて、超高所得層への規制が強化され、高級品需要にマイナスの影響を及ぼすとの懸念が高まりました。
しかし、「共同富裕」の考え方は、消費のけん引役である中間所得層を拡大させることにつながると考えられます。より質が高く魅力的な商品を手に入れたい、あるいは、より良いサービスを受けたい、価値ある体験をしたい、といった消費者が増える可能性があり、その場合は、プレミアム・ブランド企業にとって追い風となるでしょう。
このように、現時点で想定されるリスクはいくつかあるものの、プレミアム・ブランド企業に対する見方(基本シナリオ)は、良好なものです。中国の経済再開による恩恵を大きく受けて、今年度(2023年)も引き続き相対的に高い売上・利益成長を達成できるとみています。そして、成長力を背景に、株価も堅調に推移すると期待しています。
※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。
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