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- 景況感とプレミアム・ブランド企業の株価の関係
●プレミアム・ブランド企業が提供する商品やサービスは、景気サイクルを通じて富裕層や熱狂的なファンが需要を下支えすると期待される。
●しかし、株式市場では一般的な消費関連銘柄と同様にみなされ、景況感の悪化局面では、株価が大きく下落することも。一方、景況感の回復局面では、株価は大きく反発してきた。
プレミアム・ブランド企業の“株価”は、景況感の影響を受けやすい
当ファンドの投資先であるプレミアム・ブランド企業が提供する商品やサービスへの需要は、景気の良し悪しに影響されにくい富裕層の顧客を多く抱えていることや、熱狂的なファンが存在していることなどから、景気サイクルを通じて相対的に底堅く推移することが期待されています。
しかし、株式市場においては、一般的な消費関連銘柄と同様にみなされやすい傾向があります。過去にも、景気に対して不安が残る状況では消費者心理の冷え込みによるマイナスの影響が懸念され、プレミアム・ブランド企業の株価は大きく下落することがありました。
プレミアム・ブランド企業の株式も含まれる高級ブランド(商品およびサービス)企業の株価(図中の「高級ブランド株式」)は、過去の実績では、景況感(図中の「米ISM製造業景況指数」)の悪化局面で、大きく下落、あるいは低調な推移を示してきました。
一方、景況感の回復局面では、大きく反発、あるいは堅調な推移となりました。
利下げ転換は、景況感改善の契機となる可能性も
これまで世界的なインフレを受けて、欧米の中央銀行を中心に積極的な金融引き締め策がとられてきましたが、足元では根強いインフレ圧力は依然として残るものの、2024年3月にはスイス国立銀行、5月にはスウェーデン国立銀行、6月にはカナダ銀行、欧州中央銀行(ECB)などが利下げに踏み切り、政策転換する中央銀行の数は徐々に増えています。
過去の米国を例にとってみても、米金融当局の金融引き締めサイクルがピークに達し、利下げ転換した後、しばらくすると景況感が改善する傾向がみられました。
欧米の利上げサイクルの終了および利下げ転換が確かなものとなることは、景況感が改善に向かう契機となる可能性があります。景気に対する不安が解消されていけば、消費者心理も改善すると予想され、プレミアム・ブランド企業の株価にもプラス材料になると考えられます。
景気に対する不安が解消されていけば、プレミアム・ブランド企業の株価の反発に期待
当ファンドの投資先であるプレミアム・ブランド企業が発表した直近四半期決算からは、引き続きプレミアム・ブランド商品やサービスに対して底堅い需要が存在していることが確認されています。また、中長期的にもプレミアム・ブランド企業は、①アジア新興国の人々の購買力向上、➁固定客となりうる富裕層の存在、➂存在感を増す女性の消費パワー、といった成長ドライバーを背景に、成長していくとの見方にも変わりがありません。
米金融当局の金融政策の転換時期や、景況感の改善時期を正確に予想することは困難ですが、今後、景気に対する不安が解消されていけば、プレミアム・ブランド企業の株価は、相対的に大きく反発する可能性もあると期待されます。
【ご参考】 景気サイクルの局面別にみた、高級ブランド株式と先進国株式のその後のパフォーマンス
仮に、米ISM製造業景況指数を基に景気サイクルを4局面(①拡大、➁減速、➂後退、④回復)注に分け、それぞれの局面別に、高級ブランド株式と先進国株式のその後6ヵ月の株価騰落率(平均)を比較してみると、「➂後退」局面で高級ブランド株式は先進国株式に対してパフォーマンスが劣後しました。
その一方で、景気に対する認識が最悪期を脱し、改善に向かう「④回復」局面で、株価は相対的に大きく大きく反発する傾向を示しました。
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