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- インド株式|長期にわたる持続的な成長性に注目(2)金融関連分野 Vol.1
インドの金融セクターは、インド経済の成長を後押しする大きな役割を担っており、今後も長期にわたって持続的な成長が期待できるとみています。特に、個人向けの金融サービスは、若い人口が多いことや政策の後押し、デジタルの活用などを背景に成長性が大きいと期待されます。
個人向けの金融サービスの成長に期待
銀行などをはじめとした金融セクターは、経済活動において重要な役割を果たす産業です。インドの金融セクターもまた、インド経済の成長を後押しする大きな役割を担っており、今後も長期にわたって持続的な成長が期待できる産業の1つであると考えられます。ピクテでは特に、個人向けの金融サービスの成長性に注目しています。
インドは世界第2位の人口大国(2022年時点)ですが、とりわけ若い人口が多いことが特徴です。
2021年推計によると、インドの全人口の年齢中央値は約28歳と、日本の約48歳をはじめ先進国諸国が軒並み40歳前後であることと比べると歴然とした差があります。さらに、主な新興国や周辺のアジア諸国と比べても若いことがわかります。
さらに、15~34歳までの若い労働人口(所得を増やし、消費を拡大していく傾向がより強いとみられる)の比率が高いことも特徴です。
若い人々は所得を増やしていく中で、消費を拡大するだけでなく、貯蓄も拡大していくと考えられます。こうした流れを受けて、個人の各種金融サービスの利用機会は、今後もいっそう増えていくことが予想され、金融セクターの企業にとっては大きな成長機会となると期待されます。
2020年から2021年にかけて、新型コロナウイルスの感染急拡大で経済活動が停止するといった困難な局面に直面しましたが、インドの家計における金融資産(銀行預金、保険、投資信託などを含む)は、2018年4-6月期以降の統計をみると、一貫して拡大を続けています。
政策の後押し|個人の金融サービス利用は今後も大きく拡大すると期待
モディ政権は、金融サービスにすべての国民がアクセスできるようにすること(金融包摂)を重要な政策課題と位置付けています。
前政権下の2009年よりプロジェクトがスタートした個人識別番号制度「アドハー」は、モディ政権下で強力に推し進められました。2017年時点で全人口の99%が登録を完了し、個人識別番号(以下、アドハーID)を付与されています。
また、2014年から実施されている国民皆口座政策「PMJDY」では、これまで金融サービスの恩恵を受けられなかった人々が、アドハーIDを利用して容易に銀行口座を開くことが可能となったほか、口座を通じて保険や融資をはじめ様々な金融サービスも受けられるようになりました。
加えて、2016年に実施された高額紙幣廃止も、大きな追い風となりました。インドは「現金主義」の傾向が強い社会でしたが、高額紙幣廃止を受けて人々の行動変容が促され、大量の現金が銀行口座に流入する結果となりました。
PMJDYの口座数と預金残高をみると、2014年の開始以来、大きく増加しています。2022年8月末時点の口座数は4.6億口座(2015年8月末比で2.6倍)、預金残高は1.7兆ルピー(同7.6倍)へと拡大しました。より多くのインドの人々が金融サービスにアクセスし利用を拡大していく「入口」になると期待されます。
積極的な「デジタル」活用|インドは世界的なフィンテック大国に
モディ政権では、国家の基本的な情報技術政策「デジタル・インディア」を掲げ、インドをデジタル化によって強化された知識経済社会に変革することを目指しています。このうちの重点項目の1つが、「すべての国民に対するデジタルインフラを提供する」というもので、具体的には高速インターネットを整備して公共サービスとして位置付けること、個人識別番号制度(アドハー)をデジタル認証機能として活用すること、携帯電話と銀行口座を活用してデジタル化された金融サービスを普及すること、などが含まれています。
こうした流れの中で、2016年より導入された統合決済インターフェース(UPI)は、インド準備銀行とインド銀行協会が主導するインド決済公社が運用する預金通貨の決済インフラの1つです。個人のアドハーIDと携帯電話番号を紐づけることで、スマートフォンなどを使ってネット上で口座間決済・送金が簡単・即座に行えるようになっています。こうしたモバイル決済の利用は急速に拡大し、キャッシュレス化も進んでいます。
「デジタル」の活用により、既存の金融サービスの利便性や効率性が高まるだけでなく、今までになかった新たな金融サービスが誕生する可能性もあります。2021年に上場を果たしたワン97コミュニケーション(モバイル決済サービス「Paytm(ペイティーエム)」を提供)をはじめ、インドには数多くのフィンテック関連のスタートアップ企業が存在し、世界のフィンテック大国としても注目されています。
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