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- ピクテのインド株式運用チームが体感、インドの「今」(1)
●当ファンドは、発展が期待できる産業において、誠実な経営陣によって経営されている優良企業の株式を厳選した上で投資を行う、アクティブ・ファンド。投資先企業の選定の過程では、現地インドでの企業訪問や人々との交流から得られる生の情報も重視。
●今年5月、ピクテのインド株式運用チームのリード・マネージャー、プラシャント・コタリがインドを訪問。この訪問で得た知見の一部を紹介します。
高まる企業経営の短期志向への警戒感
今回のインド訪問の中で、インドで100年以上の歴史を持つ消費関連事業を展開するファミリー企業を訪問する機会を得ました。創業家から経営を託されている最高経営責任者(CEO)とのミーティングで、衝撃を受けた出来事があります。
ファミリー企業といえば、長期的な視野で事業の継続に重点を置いた経営を行っていることが一般的です。しかし、このCEOは短期的な業績動向を過度に気にしており、経営ビジョンが非常に近視眼的だという印象でした。
この背景の1つには、証券会社(セルサイド)のアナリストが、四半期決算について予想を上回った要因、あるいは予想を下回った要因を根掘り葉掘り質問し続けてきたことがあるとみられます。セルサイド・アナリストは通常、短期志向が強いといわれています。
さらに、事業から距離を置いている創業家もCEOを評価する際に、株価やセルサイド・アナリストのレポートなどに頼っていました。
この出来事から、ファミリー企業において、企業統治(ガバナンス)を強化するために、創業家と経営陣を分離するといった方法が、上手く機能するとは限らない、という教訓を得ました。
しかし、さらに大きな問題は、なぜセルサイド・アナリストが短期的な視点に立つのか、ということです。それを知るために、現地の金融業界関係者にもインタビューを試みました。
今からおよそ10年前、証券会社における機関投資家向けブローカー業務の収益のうち、ロング・オンリー・ファンド(買いポジションのみで運用されるファンド)から生み出される収益が全体の90%を占めていましたが、その5年後には70%程度に低下、現在はさらに低下、40%になっているという話を聞きました。つまり、今や取引(および収益)の大半は、ヘッジファンドなどの短期志向のファンドが占めているというわけです。そのため、セルサイド・アナリストは、数年や数十年単位ではなく、数ヵ月や数四半期単位の視点で調査対象企業を捉え、評価する傾向がいっそう強まっているのではないかと感じました。そして、その結果、多くのセルサイド・アナリストが経営陣に近視眼的な質問を投げかけ、経営陣はそれに応え、実現していくことを余儀なくされるのです。
アクティブ・マネージャーとして、果たす役割を再確認
「Antevasin」とは、サンスクリット語で、「境界に住む者」(古い考え方と新しい理解の間に常にいる者)を意味します。
ピクテのインド株式運用チームも、思慮深い投資家として、「Antevasin」の精神を持ち続けたいと考えています。投資先企業の選定の過程では、これまでの長年にわたる調査から得てきた知識の蓄積を活用するだけでなく、定期的に現地を訪れ、現地の状況を視察、あるいは企業の経営陣をはじめ人々との交流を通じて、新たな知識の獲得や、これまでの知識のアップデートを行い、持てる知識を常に高めていくことが重要であると考えています。
今後も引き続き、思慮深く、そして責任ある投資家として、投資先企業の選定には長期的な視点を大切にしていきたいと考えています。長期的に成長が期待できる優良企業であっても、短期的にみると業績の波はあります。しかし、企業の本源的な価値が変わらない限り、資本市場において、適切に正しく評価されるべきであると考えます。また、企業に対して、中長期的な視点が必要であることを働きかけ、企業の持続的な成長と企業価値向上を促すことの重要性も再確認しました。
ピクテのインド株式運用チームが運用を行う当ファンドは、発展が期待できる産業において、誠実な経営陣によって経営されている優良企業の株式を厳選した上で投資を行う、アクティブ・ファンドです。
※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。
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