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- 短期的な値動きには注視。しかし、中長期的な成長期待は健在
●足元(9月以降)のインド株式は相対的に低調
●背景には、投資家の関心が中国株式にシフトしたこと、中東情勢緊迫化による原油価格上昇、インド株式の高バリュエーションへの警戒感などがあるとみられる
●短期的な値動きには注視が必要。しかし、中長期的なインドの成長期待には変わりがなく、株価の下支えになると期待
足元で相対的に低調
2024年年初来のインド株式(MSCIインド10/40株価指数(現地通貨ベース、配当込み))の株価パフォーマンスを期間別にみると、年初から8月末までは高い上昇率を示していました。しかし、9月以降、足元(2024年10月22日)まででは-4.2%の下落と、他の主要株式に比べて低調な動きがみられています。
※文章中の騰落率は、税金・費用等を考慮していません。
要因1|中国の大型景気刺激策を受けて、投資家の関心が中国株式にシフト
足元でインド株式が、相対的に低調となっている要因の1つには、当該期間において投資家の関心が再び中国株式に集まったことがあると考えられます。
ここ数年、中国の経済成長率は低下傾向にある一方で、インドは世界の中でも高成長が期待されていることなどもあり、新興国のカテゴリーの中で、世界の投資家の関心は中国からインドに移りつつありました。
中国当局が、9月後半に追加的な金融緩和をはじめとした大規模経済刺激策を発表したことを受けて、低迷する景気の回復期待が高まったことから、中国株式への投資比率を低位に引き下げていた投資家を中心に、中国株式を買い増す動きが強まりました。
要因 2|中東情勢の緊迫化を受けた原油価格上昇
インドは経済成長に伴い、エネルギー消費量が増大しています。原油については、大きく輸入に依存しており、原油輸入量は世界第3位の規模(2022年)となっています。原油価格の上昇は、インド経済にとってマイナスの影響をもたらすと懸念されることなどから、中東情勢の緊迫化などを受けた原油価格の上昇は、インド株式の売り材料になることがあります。
要因 3|インド株式の相対的な割高感への警戒感
足元のインド株式のバリュエーション(投資価値評価)は相対的に高水準にあり、割高感を警戒する向きもありました。こうした環境下、中国株式を見直す動きや、原油価格の上昇など、インド株式にとってマイナス材料となるニュースが浮上したことで、特に海外投資家を中心に、いったん利益を確定しようとする動きが強まった可能性もあるとみられます。
短期的な値動きには注視。しかし、成長期待が株価の下支えに
足元の懸念材料が払しょくされないなかでは、インド株式の低調な株価推移が続くことも懸念されます。しかし、インド経済は今後も中長期的に、魅力的な人口動態や成長を後押しする政策などを受けて、世界の中でも高い成長が期待されていることには変わりがありません。また、インド企業の利益成長についても、現時点では、概ね良好に推移すると予想されています。こうしたことが、インド株式の下支えになり、中長期的には相対的に良好なパフォーマンスが期待できると考えられます。
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