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- 当面の懸念材料があるものの、PBR水準では魅力が高まるインド株式
新インド経済は実に40年ぶりのマイナス成長になるとの見方が強まっています。また、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかっていないことなど当面は懸念材料が山積していますが、中長期的なインド経済の潜在的な成長力には変わりないと考えます。こうした中、インド株式のPBR水準は過去20年間の平均を下回り魅力的な水準をつけています。
短期的には懸念材料もあるが・・・
2020年のインド経済は、40年ぶりのマイナス成長に落ち込むとの見方が強まっています。財政や金利水準などを巡る懸念はあるにせよ、政府と中央銀行は財政出動やさらなる金融緩和などにより景気の下支えに動いています。
新型コロナウイルスの感染拡大については、依然として懸念材料です。インドでは感染拡大の早期の段階から、都市封鎖を実施しましたが、感染拡大には歯止めがかからず、そのような状況下においても経済への悪影響を考慮して6月に入って外出制限の段階的な緩和に踏み切っています。国際保健機関(WHO)の統計によると6月23日時点でインドにおける新型コロナウイルスの感染者数累計は44万人を突破し、中国(同8.5万人)を大きく上回るアジア最大の累積感染者数を記録しています。また、世界的にみても、米国、ブラジル、ロシアに続く感染拡大国となるなど、感染拡大の収束には目途が経たない状況にあります。
今後も感染拡大に歯止めがかからない状況が長く続いた場合、インド経済は(景気動向、財政状況等)さらに苦しい状況に陥る可能性もあるため、経済動向、政策動向、感染拡大状況等を今後も十分注視していく必要があるでしょう。
しかし、中長期的には、「構造改革」の進展期待や、良好な「人口動態」などを背景に、新興国の中でも相対的に高い経済成長が期待できるとの見方には変わりがありません。
足元の株価下落で、PBR水準は低下
一方、インド株式市場の2020年年初来の動きをみると、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて世界的な景気減速や企業業績悪化懸念などを背景に3月後半にかけて世界的な株安となる中で、同様に下落しました。
その後、主要各国の金融緩和、財政出動や経済活動の再開の動きなどを受けて、投資家のリスク回避の動きが後退し、世界の株式市場は反発し、インド株式市場も反発しています。ただし、戻りのペースは、新興国株式市場の平均に比べるとやや緩やかなペースとなっています。
インド株式の株価純資産倍率(PBR)は、モディ政権が2014年5月に発足して以降、構造改革進展により成長が加速するとの期待などから株価が上昇したこともあり、これまでの数年間は過去20年間の平均近辺に留まっていました。
2020年年初以降の株価下落により、2020年3月には、過去平均を大きく下回る水準を付けました。その後、株式市場の反発により足元のPBR水準はやや上昇しているものの、5月末時点で2.4倍と、引き続き過去平均を下回る水準にあります(なお、5月末時点の1株あたり純資産をベースに6月22日時点を試算すると約2.6倍)。
足元には様々な懸念材料(感染拡大やそれに伴う経済へのマイナスの影響等)が重石となり、しばらくは株価が上下を繰り返す可能性があると考えられます。しかし、中長期的にみた潜在成長力には変わりがないとすれば、PBRなどのバリュエーション水準が魅力的な水準にある時に投資を開始すると、長い目で見れば良好な投資リターンが得られる可能性が高いとも考えられます。
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