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- インド株式|長期にわたる持続的な成長性に注目(2)金融関連分野 Vol.2
インドの家計における金融資産は拡大傾向を続けていますが、その多くを占めているのは銀行預金です。また、住宅ローンや自動車ローンなどの個人向けの融資についても年々増加していますが、その普及率は、諸外国に比べると依然として低い状況です。インドの銀行にとって、個人向け融資をはじめとしたリテール事業は、開拓余地が大きく、今後もさらなる成長機会となることが期待されます。
インドの銀行|個人向け金融サービス(リテール事業)に成長機会
インドの家計における金融資産は、着実な拡大傾向が続いています。金融資産のうち、多くを占めているのは銀行預金です。
また、インドの人々は消費を拡大していく中で、身近な消費財から、自動車や住宅など、より高額なものを購入するようになります。この場合、自動車ローンや住宅ローン(銀行からの融資)を利用する機会も増えていくことは容易に想像できます。実際に、個人向け融資は年々増加しています。
インドの個人向け融資は増加傾向にありますが、住宅ローンを例に挙げると、諸外国に比べて普及率は依然として低い水準にあります。インドには若い人々が多く、今後、自動車や住宅を購入するであろうとみられる人口層が諸外国に比べて大きいことを勘案すると、個人向け融資の普及率は高まっていくと予想されます。
インドの銀行業界にとって、個人向け融資をはじめとしたリテール事業は、開拓余地が大きく、今後もさらなる成長機会となることが期待されます。
※2023年1月6日発行 ピクテ・ファンド・ウォッチ 「インド株式|長期にわたる持続的な成長性に注目(2)金融関連分野 Vol.1」も併せてご参照ください。
インドの銀行業界の課題、不良債権問題の現状
インドの銀行業界においては、不良債権問題が長年の懸念事項となっています。
新興国の成長力に注目が集まった2000年代初頭から、インドでも投資ブームが起こりました。これに伴い、銀行などによる建設プロジェクトなどへの貸出が急拡大していきました。しかし、インド特有の様々な問題(困難な土地収用、認可の遅れなど複雑な行政手続きの影響等)に加えて、その後の景気減速などが重なり、プロジェクトが中断するといった事態が多発しました。こうした状況が2010年代以降、不良債権問題を深刻化させる要因となりました。
また、商業銀行の中でも、特に国営銀行には、リスク管理の甘さやガバナンス(企業統治)の欠如など、経営上の問題があるとされています。
インド政府とインド準備銀行(中央銀行)は、様々な取り組み(例えば、資産再建会社(いわゆるバッドバンク)への不良債権移管や、国営銀行への公的資金注入)を通して、不良債権問題の早期解決を目指していますが、解決は道半ばの状況です。
一方で、民営銀行は、ガバナンスなどに大きな問題を抱える国営銀行に比べると、事業効率が高く、また、相対的に不良債権比率は低い傾向がみられます。
銘柄例|HDFC銀行 ~リテール事業に強みを持つ大手民営銀行~
HDFC銀行は、インド初の民営金融機関として認可された住宅開発金融会社(HDFC)を母体として、1994年に設立された民営銀行です。2022年3月末時点で、支店(6,342店舗)と、農村部などを中心とした顧客サービス拠点(15,341拠点)を有し、インド全土をカバーしています。
預金残高は、過去10年間で6倍に増加しましたが、足元の預金残高のうち約8割が個人をはじめとしたリテールからの預入れとなっています(2022年3月期時点)。このことは、個人向けに各種ローンをはじめ、保険や証券投資など多様な金融サービスの提案機会の拡大にもつながっています。
また、業容が急拡大する中でも、テクノロジーの積極的な活用などにより、リスク・コスト管理等がしっかりと行われており、相対的に高い健全性・収益性を維持しています。
ピクテではHDFC銀行について、成長余地が大きいリテール事業に強みを持ち、健全性や収益性を重視した優れた経営が行われているとみており、今後も持続的に成長が期待できる優良企業であると評価しています。。
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