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- インド株式|長期にわたる持続的な成長性に注目(2) 金融関連分野 Vol.3
インドの家計における金融資産のうち「生命保険」は、自身の健康への関心の高まりや高齢期の生活不安などを背景に、年々増加しています。さらに、ここ最近の新型コロナウイルスの感染拡大で、人々の「もしもの備え」という意識が高まっていることも後押しとなっています。一方で、インドの保険普及率は諸外国に比べて低く、成長余地が大きいと考えられます。こうしたことから、インドの保険市場についても、持続的に成長が期待できる分野の1つとして注目しています。
インドの保険市場|「もしもの備え」へのニーズの高まりが追い風に
インドの家計における金融資産のうち、「生命保険」は年々増加しています。
インドには労働の担い手となる若い年齢層の人口が多く、経済的に豊かになっていく中で、金融資産を拡大させています。最も多いのは銀行預金ですが、生命保険や投資信託など多様な資産へ需要の広がりがみられています。
特に、保険については、経済的に豊かになっていくにつれて、人々の関心が自身の健康に向くようになってきていることや、平均寿命の延伸を受けて、高齢期も安心して暮らしたいというニーズが高まっていることなどが追い風となってきました。
さらに、ここ最近の新型コロナウイルスの感染拡大により、感染者数および死亡者数が急増する中で、若い人々の間でも、「もしもの備え」という意識がよりいっそう高まり、生命保険に加入する動きが強まったといわれています。
一方、インドの生命保険をはじめとした保険の普及率は、諸外国と比べると低水準に留まっています。1人当たり保険料のデータでみると、インドは諸外国に比べて圧倒的に低い水準です。
インドの人々の生命保険をはじめとした保険に対するニーズの高まりと、足元の普及率の低さを考慮すると、インドの保険市場は今後も持続的に成長が期待できる分野の1つであるとみられます。
政策の後押し|すべての国民、企業が保険のサポートを受けられるように
インド政府は、インド独立100周年を迎える2047年には、すべてのインド国民が適切な生命、健康、財産の保険に加入し、すべての企業が適切な保険ソリューションによってサポートされていることを目指し、保険の普及率拡大や健全な保険市場の成長を促進するための規制改革・緩和を積極的に実施しています。
政府主導による様々な保険スキームも、保険の普及に一役買っています。例えば、PAJAY(貧困層を対象とした国家医療保険制度)、PMFBY(作物に対する農業従事者向け保険プログラム)、PMJJBY(18~50歳までの貯蓄口座保有者に対して低コストで生命保険を提供するプログラム)などを提供し、保険によるサポートを受けられる層の拡大を図っています。
2023年2月1日、インド政府が発表した新年度(2023年4月~2024年3月)予算案で、高額保険料の生命保険につき、満期保険金に対する課税強化が含まれていることなどが明らかとなりました。これにより業績へのマイナスの影響が懸念されるとしてインドの保険企業の株価は軒並み大幅下落となりました。
しかし、この課税強化は、年間保険料総額が50万ルピー(約80万円)を超える高額保険料となる場合に適用範囲が限定される模様です。インド政府が中長期的に保険の普及・保険市場の成長を目指していることには変わりはありません。※円換算は、2023年1月末時点の為替レート(1ルピー=1.59円)で算出
銘柄例|SBIライフ・インシュアランス ~民間生保の大手企業~
SBIライフ・インシュアランスは、インドの生命保険大手企業です。インド最大の商業銀行であるインドステイト銀行の子会社であり、同行のネットワークを通じて多くの顧客にアクセスできる強みを持っています。
拡大しつつあるインドの生命保険市場において、年々、市場シェアを伸ばしています。2022年7月時点の統計では、SBIライフ・インシュアランスの市場シェア(保険料収入ベース)は、業界全体(国営で最大の生命保険企業LICを含む)では7%、民間生命保険部門では22%と民間最大手企業となっています。
業容は拡大していますが、インドステイト銀行のネットワークを利用できるために、新規顧客獲得のためのコストも低水準に抑えることができるため、収益性が高いことも特徴の1つです。また、デジタル戦略も強化しており、オンラインでの直接販売なども拡大させています。
2023年2月1日に発表されたインドの新年度予算案を受けて、SBIライフ・インシュアランスの株価も他のインドの生命保険企業と同様に大きく下落しました。しかし、インドの生命保険市場は中長期的にみても持続的な成長が期待できるとの見方には変わりはなく、成長市場の中で、競争優位性を持つ企業として注目しています。
※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。
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