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- インド株式|引き続き、相対的に堅調
世界経済の先行き不透明感が強まる中、インド株式市場は大きく下落する局面もありましたが、2022年年初来、足元まででは上昇しており、新興国の中でも相対的に堅調です。この背景の1つには引き続き相対的に高い成長が期待できるとの見方があります。また、海外投資家がリスク回避の動きを強める中でも、インド国内の個人投資家の増加・投資資金の拡大などは、インド株式市場を下支えしているとみられます。
相対的に堅調な推移が続く
世界的なインフレの高止まりや、米国をはじめとした主要中央銀行の積極的な金融引き締めの動きなどにより、世界経済の先行き不透明感が強まっています。こうした中で、新興国株式は円換算ベースでみると、2021年以降は一進一退の動きとなり、2022年年初来(2022年9月12日まで)で+0.4%の上昇にとどまっています。
一方、新興国の中でもインド株式(MSCIインド10/40株価指数、円換算ベース)は足元でも上昇基調となっています(同期間で+20.6%)。
また、インド株式のアクティブ運用を行う当ファンドの基準価額についても、インド株式に比べて劣後しているものの、同期間で+12.1%の上昇となりました。
高バリュエーションは、成長期待の表れ
インド株式のバリュエーション(投資価値評価)を2022年8月末時点の予想株価収益率(PER)水準でみると、相対的に高水準にあります。
この背景には、成長への大きな期待があると考えられます。過去の実績をみても、インド企業は着実に利益成長を達成してきました。足元でも、予想利益成長率(12ヵ月先予想)は前年同期比+15%と相対的に高い成長率が予想されています。
中長期的に、インド経済は相対的に高い成長が期待されている
また、インド経済は、足元ではコロナ禍から回復しつつあります。加えて、引き続きモディ政権が進める様々な改革や、製造業振興策「メイク・イン・インディア」などの経済政策などが後押しとなると期待されます。
インドは現在、世界第2位の人口を擁しています。特に若い労働人口が多く、こうした世代が所得を増やし、消費を拡大させることなどが経済成長の大きなドライバーになると期待されています。
労働の担い手となる生産年齢人口の推移をみると、過去数十年にわたって高成長を遂げてきた中国は既に減少傾向に転じつつあります。一方のインドは2048年まで増加が続くと予想されています。
インド国内の個人投資家の増加・投資資金の拡大などが下支えに
多くの若い労働者が所得を増やしていく中で、消費拡大の大きなドライバーとなる、いわゆる中間所得層のいっそうの拡大が期待されます。こうした中間所得層の拡大は、インド株式市場にとってもプラス材料になるとみられます。
中間所得層が拡大しつつある中、投資を始める個人も年々増加しています。少額から長期・継続的に投資信託を購入できる「システマティック・インベストメント・プラン(SPI)」という積み立て投資制度を利用した投資の状況をみると、年々、口座数、資金流入額は着実に拡大しており、インド国内における個人投資家の存在感が高まっていることを示しています。
世界経済の先行き不透明感が強まる中で、足元ではインド株式市場から海外投資家は売り越し基調となっているものの、個人投資家をはじめ国内投資家が、インド株式市場を下支えしている格好です。
また、2013年のバーナンキ・ショック時に比べると、インドの外貨準備高や経常収支の状況は改善しており、ショックへの耐性は強まっていると考えられます。
ただし、当面は、世界的なインフレの高止まりや、主要中央銀行の金融政策動向、ウクライナ情勢などの地政学リスク、新型コロナウイルスの感染状況など、様々な懸念材料が残っており、インド株式市場にもマイナスの影響をもたらす可能性があります。また、インド国内のインフレについても足元では鈍化の兆しがみられていますが、依然として高水準にあり、インドの金融当局による金融政策動向にも注視が必要となるでしょう。
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