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- 解消しつつある過度な割高感
●2024年9月以降、下落基調となっていたインド株式。2025年3月以降は、やや持ち直しの兆しもみられる
●インド株式の予想PERは依然として過去10年間の平均を上回るが、株価下落を受けて低下傾向。また、中国株式と比較した過度な割高感も解消傾向
●短期的には、値動きの大きい展開が続く可能性に警戒が必要。ただし、インド経済および企業利益は、相対的に高い成長が予想されており、インドの相対的に高い成長力には変わりはないとみる
足元のインド株式の株価動向
インド株式は、2024年9月以降、それまで過去数年間続いてきた力強い上昇トレンドから一転して、2025年2月後半にかけて下落基調となりました。ただし、3月以降は、やや持ち直しの兆しもみられています。
インド株式のバリュエーション水準|依然として過去平均を上回るが、低下傾向
インド株式の足元の予想株価収益率(PER)の水準は、依然として過去10年間の平均を上回る水準にはありますが、ここ最近の株価下落を受けて、低下傾向がみられます。
相対的に高いバリュエーション水準は、高い成長力に対するプレミアム
一方、インド株式の予想PERは、例えば中国株式などと比較すると依然として高水準にあります。しかし、これは、インドが今後も中長期的に、世界の中でも相対的に高い成長力を有していることに対するプレミアムでもあると考えられます。
また、インド企業は企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)が相対的に健全であることも、インド株式が相対的に高いバリュエーション水準にあることの裏付けになるとみられます。インド企業の過去10年間の平均自己資本利益率(ROE)は、中国企業や日本企業に比べて高水準にあり、相対的に財務基盤が健全で、経営効率が高いと考えられます。
相対的に過度な割高感も解消しつつある
前述のとおり、高い成長力に対する期待を背景に、インド株式の予想PERは依然として相対的に高水準にはありますが、インド株式の中国株式に対する相対予想PERをみると、足元で大きく低下しました。インド株式の相対的に過度な割高感は解消しつつあるとみることもできると考えられます。
短期的には引き続き警戒。しかし、インドの相対的に高い成長力には変わりがない
短期的には、米トランプ大統領の関税政策や、米国の景気動向、金融政策動向などを巡る見方などが世界の株式市場を大きく変動させる可能性があり、インド株式市場もこうした影響を受ける懸念があります。インド株式のバリュエーション水準は、足元で低下し、相対的に過度な割高感が解消されつつあるものの、依然として過去平均を上回る水準ではあり、引き続き警戒を怠るべきではないと考えられます。
しかし、現時点では、インド企業の2025年および2026年(いずれも暦年換算ベース)の利益成長率予想は相対的に高い成長が見込まれています。また、インド経済の成長率についても、世界の中でも高い成長率が予想されています。インドの相対的に高い成長力には変わりはありません。今後も中長期的にみれば、成長力を背景に、インド株式の上昇トレンドは続くものと期待されます。
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