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- iTrustインド株式|問題を抱える企業の株式への投資を避け、一貫して優良企業に厳選投資を行う効果
●「成長」が魅力のインド株式だが、銘柄選別は重要。インドではたびたび、企業のガバナンスの問題が浮上し、株式市場にとって大きなマイナス要因となってきた。
●問題を抱える企業への投資を極力避け、一貫して優良企業に厳選投資を行うことで、市場の下落時に大きく負けることなく、中長期的には市場を上回るパフォーマンスを目指す。
「成長」が魅力のインド株式だが、銘柄選別は重要
ピクテのインド株式運用チーム(以下、ピクテ)が運用を行う当ファンドは、発展が期待できる産業において、誠実な経営陣によって経営されている優良企業の株式を厳選した上で投資を行う、アクティブ・ファンドです。
「成長」が魅力のインド株式ですが投資を行う際、インデックスに連動した運用を目指すパッシブ・アプローチではなく、個別銘柄をしっかりと調査・分析し、投資銘柄を選別していくアクティブ・アプローチが重要であるとピクテでは考えています。その理由の1つは、問題を抱える企業の株式が、インドの代表的な株価指数の対象となっている場合があるためです。
インドではたびたび企業のガバナンス(組織での不正や不祥事を防ぎ、企業経営において公正な判断・運営がなされるよう監視・統制する仕組み)の問題が浮上し、株式市場にとって大きなマイナス要因となることがありました。
事例1|アダニ・グループを巡る不正会計疑惑 (2023年)
記憶に新しいところでは、2023年1月後半に浮上した、インドの新興財閥「アダニ・グループ」の不正会計疑惑の問題があります。この問題を受けて、アダニ・グループの傘下企業の株価が大幅下落となったほか、取引関係のある金融機関をはじめ市場全体が下落しました。
インドの代表的な株価指数の1つであるMSCIインド株価指数では、2022年12月末時点でアダニ・グループ傘下の企業が6銘柄含まれ、6銘柄合計の構成比率は5.4%でした。
当ファンドでは設定当初(設定日は2018年4月3日)、アダニ・グループ傘下の1銘柄に投資を行っていました。しかし、ピクテでは当時より同グループのガバナンスの問題点については把握しており、企業側に問題解決に取り組むように積極的な働きかけを行うと同時に、追跡調査も継続していました。その後も根本的な問題の解決が見られなかったため、2019年1月末で当該銘柄を全売却しました。それ以降、アダニ・グループの傘下企業の株式への投資実績はありません(2023年8月末時点)。
当ファンドではアダニ・グループ傘下企業の株式の保有がなかったことから、アダニ・グループの不正会計疑惑を受けた2023年1月後半から2月にかけてのインド株式市場の下落局面において、このマイナスの影響は相対的に小さく抑えられました。
事例2|イエス銀行のガバナンスに対する懸念の高まり (2018年)
イエス銀行(以下、同行)は当初、民営銀行大手の一角を占める銀行でした。2018年、同行のガバナンスとリスク管理に対する懸念などから、インド準備銀行(中央銀行)が創業者で当時の最高経営責任者(CEO)に退任を迫るといった事態が発生し、株価は大きく下落しました。なお、同行は当時、インドの代表的な株価指数の1つであるMSCIインド株価指数の対象銘柄でしたが、大幅な時価総額の減少を受けて、2019年11月に同株価指数から除外されました(その後、2020年には不良債権の増加や資金繰りの悪化により経営難に直面し、政府・中央銀行が介入・再建が図られ、2022年12月より再び同株価指数の対象銘柄となりました。)。
ピクテでは、銀行を含む個人向け金融サービス分野について、今後も相対的に高い成長が期待できると注目しています。しかし、イエス銀行についてはガバナンスに問題があると考えていたため、投資対象から除外しており、これまでに投資実績はありません(2023年8月末時点)。
問題を抱える企業への投資を避け、市場の下落局面で大負けしない
長期的にみると成長が期待できる市場で活躍する企業であっても、景気サイクルや事業環境の変化などを受けて短期的に業績が悪化することがあり、株式投資においてこうした影響を完全に回避することは困難です。
しかし、経営陣の不正やリスク管理の甘さなど企業のガバナンスに問題を抱える企業は、そもそも投資対象として相応しくないと考えられ、極力、投資を行わないことが重要であると考えます。
当ファンドと同様の運用を行うピクテの類似運用戦略のパフォーマンス実績をみると、特に、市場の下落時に市場を上回るパフォーマンスとなる傾向がみられました。
この類似運用戦略が、2012年2月末から2023年8月末までの中長期で市場の下落時に大きく負けることなく市場を上回るパフォーマンスを実現してきた要因の1つには、個別銘柄をしっかりと調査・分析し、問題を抱える企業への投資を極力避け、一貫して優良企業に厳選投資を行ってきたことがあると考えられます。
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