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- 2023年の当ファンドのパフォーマンス状況と今後の見通し
●当ファンドの基準価額は、2023年年間で29.9%の上昇。投資銘柄を厳選したことによる効果などがプラスに寄与。
●2024年以降も、インド企業は相対的に高い利益成長が見込まれるが、バリュエーションも相対的に高い。この点からも銘柄選別は引き続き重要
●中長期的にも、相対的に高い経済成長がインド企業の利益成長やインド株式の上昇を下支えすると期待
2023年、インド株式市場は上昇
2023年の世界の株式市場は、世界経済の減速や地政学リスクなどの懸念材料が山積する中でも、前年(2022年)末比で上昇となりました。こうした世界的な流れの後押しもあり、インド株式市場も上昇しました。また、その中でも、特に中・小型銘柄が堅調で、大型銘柄を上回る上昇率となりました。この背景の1つには、投信積立制度(SIP)を通じて国内の個人投資家のすそ野が広がり、特に中・小型株への投資資金の流入拡大があります。
2023年の当ファンドの運用状況|投資銘柄を厳選したことによる効果がプラスに寄与
当ファンドは、インド株式の中でも、誠実な経営陣によって経営され、長期的に成長が期待できると考えられる優良企業の株式を厳選した上で投資を行う、アクティブ・ファンドです。
インド株式市場が上昇する中、当ファンドの基準価額も、2023年年間で29.9%の上昇となりました。
2023年年間の当ファンドの基準価額の上昇に相対的に大きく貢献した銘柄の顔ぶれをみると、代表的なインドの株価指数の1つであるMSCIインド株価指数の対象外の、当ファンドの運用チームが独自に注目する企業が散見されました。また、MSCIインド株価指数の対象企業であっても、指数構成比率に比べて投資比率を高位としていた企業なども含まれました。
加えて、不正会計疑惑などが浮上し株価が大きく下落したアダニ・グループの企業について、当ファンドの運用チームではガバナンス(企業統治)に懸念があるとして投資を控えていたため、2023年1月後半から2月の急落の影響を抑えることができました。
引き続き、インド企業は堅調な利益動向が予想されている
インド企業の利益成長予想をみると、2024年も相対的に高い利益成長率が予想されています。インド企業の利益成長は、引き続き株価の支援材料になると期待されます。
ただし、高い成長性が期待されるがゆえに、インド株式のバリュエーション(投資価値評価)水準は、相対的に高水準にあります。中長期的に成長が期待できる優良銘柄であっても、バリュエーション水準に過熱感がある場合には投資を控えることも時には必要となるでしょう。バリュエーションの観点からも、銘柄選別は引き続き重要であると考えます。
中長期的にも、相対的に高い経済成長が下支えに
さらに中長期的にみても、インド企業の利益成長は続くと期待されます。
このような楽観的な見方の背景の1つには、今後もインド経済は相対的に高成長が続くと予想されていることがあります。インドは、若い人口を多く抱えており、こうした人々が労働を通じて所得を増加させ、消費を拡大させていくことが、経済成長の原動力となると期待されます。インドの生産年齢人口(=労働の担い手となる15歳~64歳の人口)は、2048年まで増加が予想されており、高齢化・人口減少に直面している日本や中国などとは対照的です。
インドでは経済成長を背景に、特に、内需関連分野(例えば、慢性疾患治療薬や医療サービス、個人向け金融サービス、消費者向けインターネット関連サービスなど)の成長が期待できると考えられます。さらに、中長期的には政策的な後押しなどもあり、製造業などの発展も期待できると考えられます。
2024年前半の注目点|連邦下院選挙の行方
インドでは、2024年前半に連邦下院選挙が予定されています。現時点では、これまでの堅調な経済動向や野党の有力対抗馬不在などといった状況から、インド人民党を中心とする現与党連合が過半数の議席を維持し、モディ政権の継続が予想されます。
2023年11月~12月に行われた5州の地方議会選でも、そのうちの3州で与党インド人民党(BJP)が勝利しており、モディ政権にとっては連邦下院選挙に向けて大きな弾みとなる模様です。
市場に対して友好的な政策を打ち出し続けてきたモディ政権の継続は、インド株式市場にとってプラス材料となると考えられます。
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