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- グロイン1年 | 運用の振り返りと市場のポイント
●2022年10月~12月のピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型)(以下、当ファンド)の基準価額は横ばい
●公益株式(現地通貨ベース)のディフェンシブ性を背景に上昇するも、円高の進行が足枷に
●引き続き「グリーン・シフト」を目指す公益企業は中長期的な成長が期待される
■ パフォーマンスの変動要因
【2022年1月~2022年12月(過去1年間)】
当該期間でパフォーマンスにプラス寄与度の大きかった主な銘柄はセンプラ・エナジー(米国、総合公益事業)、 PG&E(米国、電力) 、RWE(ドイツ、独立系発電・エネルギー販売)などでした。センプラ・エナジーは新たな長期利益成長見通しの発表が好感されたことや自社株買いの発表などを背景に上昇しました。 PG&Eは、送電線の地中化計画を合理化するカリフォルニア州法の承認、山火事などの災害に対するリスク管理の改善、カリフォルニア州議会での原子力施設の稼働を延長する法案の可決、などを背景に上昇しました。 RWEは低コストの再生可能エネルギー発電への移行や、再生可能エネルギー事業の買収による成長期待などを背景に上昇しました。
一方、マイナス寄与度の大きかった主な銘柄は、ドミニオン・エナジー(米国、総合公益事業)やクラウン・キャッスル・インターナショナル(米国、エクイティ不動産投信信託(REIT))などでした。 ドミニオン・エナジーは太陽光発電の設備投資計画が資材の供給問題を背景に遅れるとの懸念などを背景に、下落率が大きくなりました。クラウン・キャッスル・インターナショナルは、電波塔事業拡大の遅れや一時的なコストの発生などを背景に来期会社計画が、市場予想を下回ったことなどが下落要因となりました。
【2022年10月~12月(過去3ヵ月)】
当該期間でパフォーマンスにプラス寄与度の大きかった主な銘柄は、PG&E、 RWEなどでした。 PG&Eは、送電線の地中化計画を合理化するカリフォルニア州法の承認、カリフォルニア州議会での原子力施設の稼働を延長する法案の可決、などを背景に上昇しました。RWEは、ドイツの発電施設の使用年数の延長や、コンソリデーテッド・エジソン(米国、総合公益事業)からクリーンエネルギー事業を買収し、長期的な成長期待が高まったことなどから上昇しました。
一方、マイナス寄与度の大きかった主な銘柄は、ドミニオン・エナジーやクラウン・キャッスル・インターナショナルなどでした。ドミニオン・エナジーは良好で安定している業績見通しにもかかわらず、米国金利が予想以上に上昇するとの懸念などを背景に、下落率が大きくなりました。クラウン・キャッスル・インターナショナルは、電波塔事業拡大の遅れや一時的なコストの発生などを背景に来期会社計画が、市場予想を下回ったことなどが下落要因となりました。
【2022年1月~2022年12月(過去1年間)】
当該期間でパフォーマンスにプラス寄与度の大きかった主な銘柄はセンプラ・エナジー(米国、総合公益事業)、 PG&E(米国、電力) 、RWE(ドイツ、独立系発電・エネルギー販売)などでした。センプラ・エナジーは新たな長期利益成長見通しの発表が好感されたことや自社株買いの発表などを背景に上昇しました。 PG&Eは、送電線の地中化計画を合理化するカリフォルニア州法の承認、山火事などの災害に対するリスク管理の改善、カリフォルニア州議会での原子力施設の稼働を延長する法案の可決、などを背景に上昇しました。 RWEは低コストの再生可能エネルギー発電への移行や、再生可能エネルギー事業の買収による成長期待などを背景に上昇しました。
一方、マイナス寄与度の大きかった主な銘柄は、ドミニオン・エナジー(米国、総合公益事業)やクラウン・キャッスル・インターナショナル(米国、エクイティ不動産投信信託(REIT))などでした。 ドミニオン・エナジーは太陽光発電の設備投資計画が資材の供給問題を背景に遅れるとの懸念などを背景に、下落率が大きくなりました。クラウン・キャッスル・インターナショナルは、電波塔事業拡大の遅れや一時的なコストの発生などを背景に来期会社計画が、市場予想を下回ったことなどが下落要因となりました。
【2022年10月~12月(過去3ヵ月)】
当該期間でパフォーマンスにプラス寄与度の大きかった主な銘柄は、PG&E、 RWEなどでした。 PG&Eは、送電線の地中化計画を合理化するカリフォルニア州法の承認、カリフォルニア州議会での原子力施設の稼働を延長する法案の可決、などを背景に上昇しました。RWEは、ドイツの発電施設の使用年数の延長や、コンソリデーテッド・エジソン(米国、総合公益事業)からクリーンエネルギー事業を買収し、長期的な成長期待が高まったことなどから上昇しました。
一方、マイナス寄与度の大きかった主な銘柄は、ドミニオン・エナジーやクラウン・キャッスル・インターナショナルなどでした。ドミニオン・エナジーは良好で安定している業績見通しにもかかわらず、米国金利が予想以上に上昇するとの懸念などを背景に、下落率が大きくなりました。クラウン・キャッスル・インターナショナルは、電波塔事業拡大の遅れや一時的なコストの発生などを背景に来期会社計画が、市場予想を下回ったことなどが下落要因となりました。
■ 2022年10月~12月(過去3ヵ月)の投資行動
当該期間の売買では、株価が上昇していたフォータム(フィンランド、電力)に関して、当運用チームはエンゲージメント(対話)を行ってきましたが、大きな成果が見られないことから、利益を確定し組入比率を引き下げました。クリーンエネルギー事業の買収で株価が上昇したRWEの利益を確定し、組入比率を引き下げました。
一方、バリュエーション(投資価値評価)面で魅力が増したサザン(米国、電力)などの銘柄の組入比率を引き上げました。また、山火事に関する安全対策が進展し、復配が期待できるとみてPG&Eの組入比率を引き上げました。加えて、中国のクリーンエネルギー発電関連銘柄の組入比率などを引き上げました。
■ 今後の見通し、運用方針
ウクライナ危機などを背景に、主力の発電燃料である天然ガスの価格や電力の市場価格は変動が大きくなっており、高水準で推移しています。こうしたなか、エネルギー安全保障問題を背景に、主要国・地域の脱炭素化に向けた政策強化の動きが加速しています。これらの動きは、風力、太陽光、水力などのクリーンエネルギー発電の拡大をさらに加速させることにつながるとみられます。当ファンドでは、クリーンエネルギーによる発電の割合が高い企業に注目しています。また、米国の規制下事業の比率の高い銘柄は、規制環境が良好で、収益見通しが安定していることから、組入れを高位にしています。
世界的なインフレの高進を背景に、主要国・地域の中央銀行は、政策金利の引き上げを行っています。こうしたなか、金利の急上昇には注意が必要です。ただし、金利上昇時は物価上昇を伴う局面であることが多く、過去の実績では物価が上昇する中、タイムラグをおいて電力価格が上昇し、公益企業の収益が増加する傾向がみられ、公益企業の株価の上昇要因となり、金利上昇局面では、期間を通しては世界公益株式は上昇しました。
公益セクターは引き続き業績の実績や見通しが相対的に安定しています。市場の不透明感が高いなかでは、公益企業のディフェンシブ性(業績が景気に左右されにくい特性)が注目されるとみられます。また、長期金利の急上昇などによる株価の調整は、中長期的な投資機会を提供する可能性があると考えます。
■ 中長期保有に当たってのポイント
中長期的には世界的に電力などの需要拡大が予想されており、公益セクターの事業環境は良好との見方には変わりありません。当ファンドでは、公益企業のESG(環境、社会、ガバナンス)への取り組みを重視し、公益企業にエンゲージメント(対話)を行い、クリーン・エネルギーシフトを促していきます。主要国・地域のクリーン・エネルギー政策強化の動きは、「グリーン・シフト」を目指す公益企業の株式にプラスになるものと期待されます。
■ 金利の影響は?~長期金利の急上昇局面では注意が必要だが、中長期的には収益の拡大を反映
長期金利の急上昇局面では、配当利回りが高い株式や金利負担の大きい企業の株式などが下落する傾向がみられ、注意が必要です。ただし、過去の実績では、金利急上昇時の株価の調整は、その後の長期金利の落ち着きとともに、比較的、短期間で終わったことが多く(下図参照)、中長期的には投資機会を提供している可能性があると考えることもできます。
公益株式はディフェンシブ性(景気の変動に左右されにくい特性)が強く、株式のなかでも配当利回りが高い傾向があることから、債券の代替としての投資対象となる場合があります。このため、債券利回りが上昇すると、公益株式の配当利回りの魅力が相対的に低下します。金利の上昇は企業の将来の利益や配当の割引現在価値の低下要因にもなります。また、公益企業は他の業種に比べて設備投資が多く、負債比率が高いことから将来の利払いや資金調達への悪影響が想定されます。金利が急上昇する局面ではこれらの点が投資判断に影響を与えるため、株価の調整が一気に起こると考えられます。実際、過去の実績では米国10年国債利回りが急上昇した際には、短期的に世界公益株式が下落する傾向がみられました(下図参照)。
一方、金利上昇局面では、物価が上昇していることが多く、燃料費なども上昇している傾向にあります。また、利払い負担も増加します。しかし、規制下の公益事業では、通常、こうしたコストの上昇はタイムラグをおいて電力、ガス、水道などの公共料金に価格転嫁することになります。電力、ガス、水道などは日常に不可欠なことから、他の業種と比べて価格転嫁が容易です。また、米国では規制下の電力料金は長期金利の水準が料金決定基準の収益率のベースとなっています。このため、金利上昇はタイムラグをおいて公益企業の収益にプラス要因となると考えられます。実際、中長期でみると、金利が上昇する局面では世界公益株式は上昇しています(下図参照) 。
公益セクターは引き続き業績の実績や見通しが相対的に安定しています。このため、長期金利の急上昇などによる株価の調整は、中長期的な投資機会を提供する可能性があると考えます。
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